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大正製薬

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

1試験概要

デザイン

プラセボ対照無作為化二重盲検比較検証試験(並行群間比較法)

目的

2 型糖尿病患者を対象に、ルセフィ2.5mg またはプラセボを24 週間投与し、有効性(プラセボに対する優越性)および安全性について、プラセボと比較検証する。

対象

食事・運動療法にて血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者158例

  • <主な選択基準>
    • 投与6週前および投与2 週前のHbA1c(JDS値)が6.5%以上10.0%以下(NGSP値として6.9%以上10.5%以下に相当)かつその間の変動幅が±1.0 %以内
    • 空腹時血糖値126mg/dL 以上
    • 一定の食事療法を実施
方法

ルセフィ2.5mg群、プラセボ群に無作為に割り付け、それぞれの治験薬を1日1回、朝食前に24週間経口投与した。

方法:ルセフィ2.5mg群、プラセボ群に無作為に割り付け、それぞれの治験薬を1日1回、朝食前に24週間経口投与した。
評価方法

来院ごと(投与0週、2週、4週、8週、12週、16週、20週、24週)にHbA1c、空腹時血糖値(朝食前)、体重を測定した。また、投与0週と12週および24週(または中止時)に腹周囲の測定および食事負荷試験を実施し、食事開始前、開始後30分、1時間、2時間に採血し、血糖値およびインスリンを測定した。

主要評価項目

HbA1c

(HbA1c はNGSP値で表記)

副次的評価項目

血糖値、インスリン、グルカゴン、血中CPR、インタクトプロインスリン、グリコアルブミン、体重、腹周囲、尿糖定量、HOMA-R、HOMA-β

安全性評価項目

有害事象(臨床検査値、バイタルサイン、12誘導心電図を含む)の内容および発現頻度

解析計画

有効性の解析対象はFASを主要な解析対象集団、PPS を副次的な解析対象集団、安全性の解析対象は安全性解析対象集団とした。

[主要評価項目]

1)最終評価時におけるベースラインからのHbA1c変化量について、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析を適用し、群間比較を行った。また、2.5mg 群とプラセボ群の群間差の95%信頼区間(CI)を算出した。

2)各評価時期および最終評価時におけるベースラインからのHbA1c 変化量について、ベースラインの値を共変量とした共分散分析を行い、2.5mg 群ならびにプラセボ群の95%C I および群間差の95%C Iを算出した。

[副次的評価項目]

主要評価項目の2)と同様に解析した。ただし、血糖値、血糖値の薬力学パラメータ(Cmax、AUC0-2h)、グリコアルブミン以外の各評価項目は、2 標本t 検定を行うとともに、両群併合の分散を用いて、2.5mg 群ならびにプラセボ群の95%CI および群間差の95%CIを算出した。

  • 社内資料(臨床試験HbA1c[NGSP値]再解析結果)
  • 承認時評価資料(プラセボ対照二重盲検比較試験:検証試験)
  • Seino Y et al.: Curr Med Res Opin. 2014; 30: 1245-1255.
  • [利益相反]本試験は、大正製薬株式会社の支援によって行われました。
    生方路人、坂井荘一、寒川能成は、大正製薬株式会社の社員です。

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

2HbA1cの改善効果

主要評価項目

最終評価時におけるHbA1cのベースラインからの変化量は、ルセフィ2.5mg群で−0.63%であり、プラセボ群の0.13%に比べて有意な低下が認められ、ルセフィ2.5mg群のプラセボ群に対する優越性が検証された。ルセフィ2.5mg群において、投与2週からプラセボ群に比べてHbA1cの有意な低下が認められ、24週まで維持された。

最終評価時におけるベースラインからのHbA1c変化量

ベースラインからのHbA1cの変化量
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.001(vs. プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析

ベースラインからのHbA1c変化量の推移

ベースラインからのHbA1c変化量の推移

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

3空腹時血糖値の改善効果

副次的評価項目

最終評価時における空腹時血糖値のベースラインからの変化量は、ルセフィ2.5mg群で−28.3mg/dLであり、プラセボ群の−0.8mg/dLに比べて、有意な低下が認められた。また、ルセフィ2.5mg群において、投与2週からプラセボ群に比べて空腹時血糖値の有意な低下が認められ、24 週まで維持された。

最終評価時におけるベースラインからの空腹時血糖値変化量およびベースラインからの空腹時血糖値変化量の推移

最終評価時におけるベースラインからの
空腹時血糖値変化量

ベースラインからの空腹時血糖値の変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.001(vs. プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

ベースラインからの
空腹時血糖値変化量の推移

ベースラインからの空腹時血糖値の変化量
  • FAS 平均値 ± SE
  • *:p < 0.001(vs.プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

4食後2時間血糖値の改善効果

副次的評価項目

最終評価時における食後2時間血糖値のベースラインからの変化量は、ルセフィ2.5mg群で−55.8mg/dLであり、プラセボ群の1.1mg/dLに比べて、有意な低下が認められた。

最終評価時におけるベースラインからの食後2時間血糖値変化量

最終評価時におけるベースラインからの食後2時間血糖値変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.001(vs. プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

5インスリン値に対する影響(参考情報)

副次的評価項目

最終評価時におけるベースラインからの空腹時インスリン値変化量は2.5mg群で−1.88μU/mLであった。また、最終評価時におけるベースラインからの食後2時間インスリン値変化量は2.5mg群で−6.01μU/mLであった。

最終評価時におけるベースラインからの空腹時インスリン値変化量

最終評価時におけるベースラインからの空腹時インスリン値変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.001(vs. プラセボ群)、2標本t検定
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

最終評価時におけるベースラインからの食後2時間インスリン値変化量

最終評価時におけるベースラインからの食後2時間インスリン値変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI) 2標本t検定
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

6体重に対する影響(参考情報)

副次的評価項目

最終評価時における体重のベースラインからの変化量は、ルセフィ2.5mg群で−2.70kgであり、変化量は以下のように推移した。

最終評価時におけるベースラインからの体重変化量およびベースラインからの体重変化量の推移

最終評価時におけるベースラインからの体重変化量

ベースラインからの体重の変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p <0.001(vs. プラセボ群)、2標本t検定
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

ベースラインからの体重変化量の推移

ベースラインからの体重の変化量
  • FAS 平均値 ± SE
  • *:p < 0.001、**:p < 0.05(vs. プラセボ群)、2 標本t検定
  • 8.重要な基本的注意(抜粋)
  • 8.7 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

7腹周囲に対する影響(参考情報)

副次的評価項目

最終評価時における腹周囲のベースラインからの変化量は、ルセフィ2.5mg群で−2.17cmであった。

最終評価時におけるベースラインからの腹周囲変化量

ベースラインからの腹周囲の変化量
  • FAS 最小二乗平均値(95%CI)
  • *:p < 0.05(vs.プラセボ群)、2標本t検定
  • 最終評価時:中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析

第Ⅲ相臨床試験 ①(プラセボ対照二重盲検比較試験[検証試験])

8安全性

本試験の副作用の発現率は、ルセフィ2.5mg 群およびプラセボ群でそれぞれ7.6%(6/79 例)および2.5%(2/79 例)であった。ルセフィ2.5mg群における副作用は、頻尿2 例(2.5 %)、遊離脂肪酸増加1 例(1.3%)、血中ケトン体増加1例(1.3%)、低血糖症1例(1.3%)、多尿1例(1.3%)、陰部そう痒症1例(1.3%)であった。またプラセボ群における副作用は、便秘1 例(1.3%)、背部痛1 例(1.3%)、傾眠1 例(1.3%)であった。なお、本試験において重篤な副作用、投与中止に至った副作用および死亡例は認められなかった。

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