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大正製薬

第Ⅲ相臨床試験 ③(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における長期投与試験)

1試験概要

デザイン

多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験(並行群間比較法)

目的

腎機能障害を伴う2型糖尿病患者を対象に、ルセフィを52週間長期投与した際の安全性および有効性を検討する。

対象

腎機能障害(中等度)を伴う2型糖尿病患者145例

  • <主な選択基準>
    • 投与4週前および投与2 週前のHbA1c(JDS値)が6.5%以上10.0%以下(NGSP値として6.9%以上10.5%以下に相当)かつその間の変動幅が ± 1.0%以内
    • 投与4週前および投与2週前において推算糸球体濾過量(eGFR)(mL/min/1.73m2)が30以上 59以下
    • 投与4週前の8週間以上前から薬物治療未実施あるいは経口血糖降下薬を1剤もしくは2剤使用
    • 一定の食事療法を実施
方法

ルセフィ2.5mg群、プラセボ群に無作為に割り付け、それぞれの試験薬を二重盲検下で1日1回、朝食前に24週間経口投与した(二重盲検治療期Ⅰ)。二重盲検治療期Ⅰ終了後に非盲検治療期Ⅱに移行した患者を対象に、非盲検下でルセフィ2.5mgを1日1回、28週間経口投与した。ただし、増量基準を満たした場合は、投与24週以降にルセフィ5mg1日1回への増量を可とした。

方法:ルセフィ2.5mg群、プラセボ群に無作為に割り付け、それぞれの治験薬を1日1回、朝食前に24週間経口投与した。
  • ※増量基準:投与16週および20週で測定したHbA1c(JDS値)がいずれも7.0%以上(NGSP値として7.4%に相当)、かつ増量しても安全性に問題がないと判断した場合など。
評価方法

治療開始時、2週、4週、以後4週ごとに52週までHbA1c、空腹時血糖値(朝食前)、体重を測定した。

評価項目

安全性評価項目:有害事象(臨床検査値、バイタルサイン、12誘導心電図を含む)の内容および発現頻度

有効性評価項目:HbA1c、空腹時血糖値、グリコアルブミン、体重、空腹時インスリン、血中 CPR、インタクトプロインスリン、HOMA-R、HOMA-β

(HbA1c はNGSP値で表記)

解析計画

安全性の解析対象は安全性解析対象集団とし、有効性の解析対象はFASとした。

[有効性評価項目]
各評価時期の治療期開始時(ベースライン)からの変化量を用いて投与群別に95%信頼区間を算出し、1標本t検定を行った。また、二重盲検治療期Ⅰ終了時および各評価時期のHbA1c、血糖値、グリコアルブミンの変化量についてベースラインの値を共変量とした共分散分析を行い、その他の評価項目については、変化量におけるプラセボ/ ルセフィ2.5mg 群との差の推定値と信頼区間を算出し、2標本t検定を行った。

  • 社内資料(臨床試験HbA1c[NGSP値]再解析結果)
  • 承認時評価資料(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験)

第Ⅲ相臨床試験 ③(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における長期投与試験)

2HbA1cの改善効果

有効性評価項目

ルセフィ2.5mgの腎機能障害(中等度)を伴う2型糖尿病患者への投与において、二重盲検治療期Ⅰ終了時※1におけるベースラインからのHbA1c変化量は-0.11%であり、プラセボ群の0.09%に比べて、有意な低下が認められた。また、投与52週※2においても、ベースラインからのHbA1c変化量は-0.30%と、ベースラインに比べて有意な低下が認められた。

二重盲検治療期Ⅰ終了時および52週におけるベースラインからのHbA1c変化量

二重盲検治療期Ⅰ終了時※1

二重盲検治療期Ⅰ終了時
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.05(vs. プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析

52週におけるベースラインからのHbA1c変化量

52週におけるベースラインからのHbA1c変化量
  • FAS 平均値(95%CI)
  • *:p < 0. 001(vs. ベースライン)、1標本t検定
  • ※1 中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析。
  • ※2 投与24週まで二重盲検下でルセフィ2.5mgを投与し、引き続き、非盲検下でルセフィ2.5mgを投与した症例。投与24週以降にルセフィ5mgへ増量した症例を含む。
  • 8. 重要な基本的注意(抜粋)
  • 8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFR の低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。[5.3 、5.4 、9.2 参照]
  • 9.2 腎機能障害患者
  • 9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが15mL/min/1.73m2以上29mL/min/1.73m2以下)のある患者又は透析中の末期腎不全患者
    投与しないこと。本剤の効果が期待できないため。[5.3 、8.3 、16.6.1 参照]
  • 9.2.2 中等度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2以上59mL/min/1.73m2以下)のある患者
    投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。[5.4 、8.3 、16.6.1 、17.1.3 参照]

第Ⅲ相臨床試験 ③(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における長期投与試験)

3空腹時血糖値の改善効果

有効性評価項目

ルセフィ2.5mgの腎機能障害(中等度)を伴う2型糖尿病患者への投与において、二重盲検治療期Ⅰ終了時※1におけるベースラインからの空腹時血糖値変化量は-6.7mg/dLであり、プラセボ群の0.5mg/dLに比べて、有意な低下が認められた。また、投与52週※2においても、ベースラインからの空腹時血糖値変化量は-14.1mg/dLと、ベースラインに比べて有意な低下が認められた。

二重盲検治療期Ⅰ終了時および52週におけるベースラインからの空腹時血糖値変化量

二重盲検治療期Ⅰ終了時※1

二重盲検治療期Ⅰ終了時
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0.05(vs. プラセボ群)、治療期開始時(ベースライン)の値を共変量とした共分散分析

投与52週

投与52週
  • FAS 平均値(95%CI)
  • *:p < 0. 001(vs. ベースライン)、1標本t検定
  • ※1 中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析。
  • ※2 投与24週まで二重盲検下でルセフィ2.5mgを投与し、引き続き、非盲検下でルセフィ2.5mgを投与した症例。投与24週以降にルセフィ5mgへ増量した症例を含む。
  • 8. 重要な基本的注意(抜粋)
  • 8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFR の低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。[5.3 、5.4 、9.2 参照]
  • 9.2 腎機能障害患者
  • 9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが15mL/min/1.73m2以上29mL/min/1.73m2以下)のある患者又は透析中の末期腎不全患者
    投与しないこと。本剤の効果が期待できないため。[5.3 、8.3 、16.6.1 参照]
  • 9.2.2 中等度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2以上59mL/min/1.73m2以下)のある患者
    投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。[5.4 、8.3 、16.6.1 、17.1.3 参照]

第Ⅲ相臨床試験 ③(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における長期投与試験)

4体重に対する影響(参考情報)

有効性評価項目

ルセフィ2.5mgの腎機能障害(中等度)を伴う2型糖尿病患者への投与において、ベースラインからの体重変化量は二重盲検治療期Ⅰ終了時※1で-1.29kgであり、投与52週※2で-2.01kgであった。

二重盲検治療期Ⅰ終了時および52週におけるベースラインからの体重変化量

二重盲検治療期Ⅰ終了時※1

二重盲検治療期Ⅰ終了時
  • FAS 最小二乗平均値(95% CI)
  • *:p < 0. 001(vs. プラセボ群)、2標本t検定

投与52週

投与52週
  • FAS 平均値(95%CI)
  • *:p < 0. 001(vs. ベースライン)、1標本t検定
  • ※1 中止、脱落例などは、最終観察時点の測定値を解析。
  • ※2 投与24週まで二重盲検下でルセフィ2.5mgを投与し、引き続き、非盲検下でルセフィ2.5mgを投与した症例。投与24週以降にルセフィ5mgへ増量した症例を含む。
  • 8. 重要な基本的注意(抜粋)
  • 8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFR の低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。[5.3 、5.4 、9.2 参照]
  • 9.2 腎機能障害患者
  • 9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが15mL/min/1.73m2以上29mL/min/1.73m2以下)のある患者又は透析中の末期腎不全患者
    投与しないこと。本剤の効果が期待できないため。[5.3 、8.3 、16.6.1 参照]
  • 9.2.2 中等度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2以上59mL/min/1.73m2以下)のある患者
    投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。[5.4 、8.3 、16.6.1 、17.1.3 参照]

第Ⅲ相臨床試験 ③(腎機能障害を伴う2型糖尿病患者における長期投与試験)

5安全性

本試験のルセフィ2.5mgの腎機能障害(中等度)を伴う2型糖尿病患者への52週間の投与において、ルセフィ/ルセフィ群+プラセボ/ルセフィ群※※における副作用の発現率は、23.1%(33/143 例)であった。主な副作用は、便秘5例(3.5%)、低血糖症5例(3.5%)、血中ケトン体増加4例(2.8%)、頻尿4例(2.8%)であった。

また、二重盲検治療期Ⅰ(24 週間)における副作用の発現率は、ルセフィ2.5mg 群およびプラセボ群でそれぞれ18.9%(18/95例)および10.0%(5/50例)であった。ルセフィ2.5mg群における主な副作用は、便秘5.3%(5/95例)、頻尿4.2%(4/95例)、低血糖症3.2%(3/95例)、尿中β2ミクログロブリン増加2.1%(2/95例)であった。プラセボ群における主な副作用は、便秘4.0%(2/50 例)、尿中β2 ミクログロブリン増加2.0%(1/50 例)、多尿2.0%(1/50例)、高血圧2.0%(1/50例)であった。

ルセフィ2.5mg群において、重篤な副作用は脳梗塞2例、糖尿病網膜症1例(脳梗塞1例と同一症例)であった。投与中止に至った副作用は4 例に認められ、その内訳は脳梗塞2例、便秘1例、頻尿1例であった。膵がんによる死亡1 例が認められたが、試験薬との因果関係はなしと判定された。プラセボ群では重篤な副作用、投与中止に至った副作用および死亡例は認められなかった。

  • ※投与24週以降にルセフィ5mgへ増量した症例を含む。
  • ※※ルセフィ投与後に新たに発現した副作用のみを集計。

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